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志岐カウンセリングオフィスをご利用の方へ

 ― 苦悩の中で、人は人生に意味を見つけることができる -

 志岐カウンセリングオフィスのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 私は臨床心理士として働く中で、様々な方との出会いがありました。多くの方は、人に言えない悩みを持ちながらも、苦しみに耐え、必死の思いで何とかしようとされながら、そして少しでも状況を改善しようと、お話に来てくださいます。相談をお受けする中で、最も大切にしている考えが、ロゴセラピーの考えです。第2次世界大戦で強制収容所を体験したヴィクトール・フランクルが創始したロゴセラピーは、人生に意味を持つことの重要性や、苦悩を抱えることの意味と、苦悩を抱えること自体の大切さを教えてくれます。また、ロゴセラピーは、今現在の自分を大切にすることはもちろん、これまで過ごされてきた経験や、これからどう生きていきたいのか、一人ひとりの価値観や考え方を何より大切にしていく心理療法です。

 カウンセリングは、医学のように薬を用いたり手術をすることで、悪いところや苦しみを取り除くことはできません。また、占いのように、未来を予見し、進むべき道を教えることもできません。ただ、その人にとって何が大切で、そしてそのことにどんな意味があるのか、考えたり思いを巡らせる時間を大事にします。

 まずは、今の状況を教えてもらいながら、現状を整理してもらうことから始めていただきたいと考えております。時にはゆっくりと人生を振り返ってもらうことや、これからの希望を見つけてもらうための作業をしてもらうこともあります。また、各理論に基づいた心理療法や、心理検査や心理テストをしたり、必要な社会資源の情報を提供したりすることもあります。ただ、最も大切なことは、過去や未来だけでなく、今を大事にしてらもらえるようにと心がけています。自分や他人を必要以上に傷つけることなく、冷静に希望をもって話をしてもらえることが、カウンセリングを行う利点の一つです。

 当カウンセリングオフィスを開設してから、様々な年齢や立場の方からのご利用、お問い合わせをいただくようになりました。これからも、ご利用される方が安心して来ていただけるよう、努力したいと考えています。少しでも、相談される方が、安心して落ち着いて話ができるよう工夫しております。来て良かったと思っていただけるよう、自分らしく歩むことができるためのお手伝いができれば幸いです。

しきのき学習教室をご利用の方へ

 ― 人は人によって人となる -

​ 塾の講師として働き、10年になります。また、その間に専門学校で心理学の講師を勤めたり、高校で講義をしたり、大学院生の指導をしたりと、人に教えるという機会をいただいてきました。児童や生徒と関わる中で、最も大切にしていることが、一人ひとりの学ぶ意味や目的とは何かを一緒に考えるということです。

 本来、知ることや分かることや気づくことは、とても楽しいことです。にも関わらず、学習することに興味を失ってしまったり、自信を失ってしまったりしている方によく出会います。ちょっとした訓練の方法や、伝え方の工夫で、それまでつらい表情だった生徒が、明るい表情になってくれることがあります。特に、意味や目的を一緒に考えることが、その近道になることが多いように思われます。

 必ずしも、勉強をすることが、一般常識を獲得することや、将来の役に立つというわけではありません。ただ、その手助けになるということを信じています。学習を通して、自信を持ち、考えるための方法を身につけ、社会に出ていくための準備のお手伝いができることは、私にとっても大きな喜びです。

 先日、当時高校生の時に、カウンセリングをさせていただいていた方からのお手紙をいただきました。詳細はお伝えすることができませんが、様々な事情を抱えながらも、一生懸命に高校生活を送っていた方です。少しずつ、抱えている問題を乗り越えられ、専門学校を卒業し、現在は福祉関係のお仕事に就かれたと知らせていただきました。多くの不安や恐怖を乗り越えて、努力されてこられたのだと思います。

 カウンセリングと塾の講師は、大きく離れている仕事です。しかし、カウンセリングで大切にすることは、塾で子どもたち向き合う上で、共通する点が多くあります。特に、向き合う瞬間の今を大切にしながら、過去と未来をともに考える存在であり、将来の幸せを願うことに、どちらも変わりはありません。

 いつの日か成長し大人になり、社会に出たとき、どんな苦悩を抱えることがあっても、自分の人生をより良いものにするため、考え選択し行動でき、そして少しでも幸せになって欲しい。また、そのための学習する機会を、少しでも多くの人に持って欲しい。そういう願いで、教室を作りました。しきのきに来て良かったと思ってもらえることが、私の喜びです。

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